電子書籍出版を徹底解説!

電子書籍

初心者でもできる!電子書籍出版の6STEPを徹底解説!

電子書籍の出版は、大きく分けて次の6STEPです。

ではこれから、6STEPについて解説していきます!

STEP1:企画

電子書籍出版のSTEP1は、企画です。

「さぁ書くぞ!」

となっていた方は拍子抜けしたかもしれません。

けど、電子書籍の出版で一番大事なのが企画です。
あなたの本が売れるか売れないかは、企画が握っているといっても過言ではないのです。

企画段階では、まず次のようなことを押さえます。

売れる電子書籍を作るには、最低限これらの項目事前に決めておく必要があります。

どの層にどんな強みを発揮していくのかを、ハッキリしておくのです。

この中でも初心者が注意しなければならないのが、ターゲット読者著者適正です。

ターゲット読者とは?〜実用書は売りやすく、小説・エッセイは売りにくい!〜

ターゲット読者とは、あなたの本を買ってくれる想定読者です。

どんな層に買ってもらいたいのか、事前に考えておかなければなりません。

ただ、その前に知っておくべきことがあります。

それは、個人出版の電子書籍には、売りやすいジャンルと売りにくいジャンルがあるということです。

実用書は売りやすい!

売りやすいジャンルとは、実用書です。
実用書は、買わなくてもタイトルだけでの中身をイメージすることができます。
また、著者であるあなたがたとえ有名でなくても、何か説得力のある肩書きを持っていれば、

「お、この本面白そう!」

と、なりやすいのです。

そのため、手軽に読めて、すぐに使えるようなノウハウ系の本は、個人でも戦いやすい領域になっています。

特に、ビジネス系恋愛系など、欲望に直結しているジャンルは売りやすいです。

小説やエッセイは売りにくい!

逆に、売りにくいジャンルとは、小説エッセイです。

エッセイや小説は、読むまで内容や面白さがわかりません。
そのため、
“読む前から面白いことがわかっている”有名人やプロ作家の作品が強力なライバル
となってしまうのです。

この中で勝ち抜くことは並大抵のことではできません。

今は無料で面白い漫画やブログが読める時代です。
面白さが保証されているコンテンツが溢れる中、
無名な著者のエッセイをわざわざお金を出して買う人はいないのが現実です。

小説はエッセイよりもっと厳しいです。

エッセイの場合は特殊な経験をしていればまだ人目を引けます。
けれど、素人の小説を見た目だけで

「買いたい!」

と思わせるのは至難の技です。

消費者からしたら、実績あるプロ作家ではなくあえて無名なあなたの作品を手に取る理由がないのです。

小説を出したいなら、小説投稿サイトに出そう!

もし、あなたがそれでも

「小説をネットで見てもらいたい!」

と思うなら、小説家になろうカクヨムなどの小説投稿サイトがおすすめです。

小説投稿サイトは大手編集者がこまめにチェックしているため、
そこでランキング上位を取れたら紙の書籍の出版も夢ではありません。

  • 実用書を出すなら電子書籍
  • 小説を出すなら小説投稿サイト
  • エッセイを出すならブログ

なにも、ネットで文章を公開するのに電子書籍にこだわる必要はありません。
それぞれ強み弱みがあるため、
出したいジャンルに応じて媒体は使い分けましょう。

著者適性とは?〜あなたの経験から語れることを整理しよう!〜

著者適性とは、「あなたにそのテーマを語る資格があるか」を問うものです。

『安全・確実に痩せるダイエット法!』

なんて本の著者が、医者でも栄養士でもないただの一般人だったら、

「ホントかな?」

ってなりますよね。

「この人の言うことだったら間違いなさそう!」

そう思ってもらえないと、読者の手には取ってもらえないのです

あなたが持っている経験・実績・肩書きで、何が書けるか。

あなたの出した本は読者にどう見られるか
という視点を持つことがとても大切です。

STEP2:執筆

STEP2は、本の執筆です。
いよいよ、企画で決めた内容を形にしていきます。

執筆をする前に押さえておくのは、作業の全体感です。
具体的には、文字数構成です。

一冊の電子書籍を出すにはどれくらいの分量が必要となるのか。
以下に説明していきます。

文字数:目安は2万字!

結論から言うと、文字数の目安は2万字です。

2万字とは、一般的な大学学部生の卒業論文と同じくらいの文字数です。
書籍という形で何か一つのテーマを語ろうとしたら、これぐらいの分量は必要になります。

通常の紙の書籍だと、10〜20万字ほどは必要になってきますが、
電子書籍の場合はハードルが低めです。

2万字が、審査も通って読みやすいちょうど良い長さなのです。

なので、初めて書く方は2万字を目安にしてみましょう。

構成〜目次の見出しが少なくなりすぎないように注意!〜

構成の基本は、
はじめに + 本文5章以上 + おわりに
です。

各章は、大見出し一つ+複数の小見出しから成ります。

たとえば、「電子書籍とは何か?」という大見出しだとしたら、

と、これが各章ごとの構成になります。
大きな幹となる章に、枝となる小見出しをつけていくイメージです。

本文が5章未満だと、
目次を見たときに

「少なっ」

と思われてしまいます。

目次のボリューム感は馬鹿にできないため、小見出しも含めて20以上の見出しができるように内容を調整しましょう。

STEP3:表紙の作成

STEP3は、表紙の作成です。

電子書籍への最適化が大事!

表紙とは、その本の顔です。
一番最初に読者に見られる要素です。

表紙売り上げに直結する要素であるため、特に気合いを入れる必要があります。

そして表紙を作る際に注意するのは、
電子書籍に最適化した表紙にすることです。

まずは、こちらの画像をご覧ください。

 

こちらはスマホから見たKindleストアです。

この画像を見ればわかるように、
あなたの本はたくさんの本に囲まれて出版されます。
その中で、

「私を見て!」

と主張するような表紙にしなければなりません。

ここで注意しなければいけないのは、
紙の本と電子書籍では見られ方が違う
ということです。

紙の本は、棚に積まれて見られることを前提にして作られています。
そのため、丁寧で細かいデザインの表紙となることがあります。

一方で、電子書籍では、スマホやタブレット向けの小さなサムネイルで表示されます。
この差が想像以上に大きいのです。

百聞は一見に如かず。
こちらの画像をご覧ください。

この画像の、
『美人だけが知っている似合う服の原則』は、文字がごちごちゃし過ぎて読みづらくなっています。

また、
『超一流の雑談力』は、字が小さく、デザインが白くて背景との境界が曖昧なため、インパクトが小さくなっています。

このように、
紙の本は紙として見られることに最適化されているため、
電子書籍にすると見づらい表紙になる
ことがあります。
これは馬鹿にできない欠点です。

裏を返せば、
電子書籍は電子書籍に最適化した表紙を作れるところにアドバンテージがある
のです。
そのため、電子書籍に適した表紙を作成することが大事なのです。

表紙はどうやって作る?〜自分で作るか他人に頼む〜

では、表紙はどうやって作るのでしょうか?

表紙は自分で作るか、誰かに頼むか、二つの手段があります。

自分で作る〜画像作成ツールを使い、自分で作成!〜

あなたが画像作成を得意とする場合、自分で作るのもありでしょう。
例えば、画像作成には以下のようなツールがあります。

自分で作るのは、もっとも安上がりな方法です。

ただ、もし自分で作るのが難しい場合、
外注という手段があります。

他人に頼む〜外注サイトでハイクオリティな表紙を!〜

他人に頼むといった場合、
ランサーズやクラウドソーシングなどの外注サイトを使うのが一般的です。

外注サイトにはさまざまありますが、
私のおすすめは、ココナラです。
使いやすく、価格も手頃です。

ココナラは個人が持っているスキルを売買できるサービスです。

その中に、電子書籍の表紙を専門で請け負っている人たちがいるのです。

相場は500円〜20000円ほどと、上下に開きがありますが、
数千円も出せば立派な表紙を作ってもらえます。

多少のお金はかかりますが、
実績があって高いクオリティの表紙を作れる人に依頼すれば、
あなたの電子書籍の印象はグッとよくなるでしょう。

苦手なことは誰かにお願いし、自分は得意なことに専念する。
これは賢い戦略です。

STEP4:変換

STEP4は、変換です。

電子書籍は、wordファイルtxtファイルのまま出品することができません。
電子書籍独自の形式に変換する必要があるのです。

電子書籍の形式の中でも最も一般的なのが、EPUBです。
Amazonで電子出版する場合も、EPUBへの変換が求められます。

EPUBへの変換は、専用の変換ツールを使う必要があります。
変換ツールはさまざまありますが、
ここでは特に使いやすい三つのツールを紹介します。

初心者で、
「なるべく節約したい!」
という方には「でんでんコンバーター」「LeMe」がおすすめです。

「お金を払ってもいいから装丁にこだわりたい!」
という方には「一太郎」がおすすめです。
アウトラインプロセッサなど、執筆全般を助ける機能がついているため、電子書籍以外にも使えます。

ただし、一太郎はWindows版しかないため注意しましょう。

STEP5:出版手続き

STEP5は、ついに出版です。

出版するには、
まず出版先のストアを決定し、次に出版手続きを行っていきます。

出版作ストアの決定〜やっぱりAmazon Kindle(KDP)が一番!〜

「え、電子書籍ってAmazonのKindleだけじゃないの?」

そう思った方もいるかもしれません。
実は、電子書籍にはたくさんのストアがあります。
例えば、次のようなストアです。

この他にもさまざまあるため、数え上げたらキリがありません。

「どうせなら色んなストアで出したい!」

と思った欲張りなあなた。

それも不可能ではありません。

しかし、その場合は契約に注意しなければなりません。
印税を有利にするためには独占販売が条件となっていることがあるからです。

たとえば、Amazonで印税を70%もらうためには、
KDPセレクトへの登録が必要です。
ただし、KDPセレクトに登録した場合,Amazonだけでの独占販売となります。

KDPセレクトに登録しないという方法もありますが、
その場合の印税は35%となります。

一つに絞って印税70%をもらうか、印税35%で我慢する代わりに複数のストアで出すか。

ここは悩みどころですが、
私としてはAmazon一本で出すことをおすすめします。

電子書籍の利用シェアはAmazonのKindleが圧倒的だからです。

圧倒的シェアを誇るAmazon(Kindle)

2016年に行われた調査でも、2位の楽天Koboを20ポイント近く離す大差となっています。

近年のAmazonのKindle推しを見ても、その差はますます拡大していくものと考えられます。
Amazonがこの調子で成長し続ける限り、
Amazonで販売するメリットは非常に大きいです。

出版手続き〜今はとても簡単になった!〜

出版手続きは、ストアごとの案内に沿って行います。
さきほどの印税率の決定もこの段階で行います。
以下では、Amazonで販売することを前提に説明します

なお、Amazonで販売するというのは、
KDP=Kindle Direct Publishing=Kindle自己出版
に登録することを意味します。

この出版手続き、昔は非常に面倒でした。
Amazon本体がアメリカにあるため、
アメリカの所得税を回避するためにはEIN(米国納税者番号)の申請が必要だったのです。
内容自体は難しくないのですが、英語で書かれた書類に必要事項を記入し、
それをFAX郵送等で送らなければいけなかったのです。
そのため、この手続きを代行する業者がたくさん現れました。

けれど、今はその煩雑な手続きがなくなり、とても簡単になっています。
指示通りに進めれば自然と申請がされるため、わざわざ面倒な手続きをする必要がないのです。

原稿、表紙、販売した時の紹介文さえ用意できていれば、1時間もかからず手続きを終えるでしょう。

一見複雑そうに見える出版手続きも、やってみると非常に簡単です。

そのため、もし

「Amazonでの出版には複雑なEIN申請が必要です!素人の申請は難しいため弊社にお任せを!」

といった業者の謳い文句を見たら要注意です。
情報が古いか、あえて騙そうとしているかです。

どちらにせよ、近づかないのが無難でしょう。

STEP6:宣伝

「やっと出版できたー!」

そう安心するのはまだ早いです。
出しっぱなしで終わりではいけません。

宣伝をしなければ、どんな良い本を書いたとしても埋もれてしまうのです。

宣伝方法はさまざまある!

宣伝にはざっと以下のような方法があります。

このように、宣伝方法はさまざまあります。

短期集中でランキングを押し上げる!

宣伝方法は数あれど、
大事な方針はたった一つです。

それは、
短期集中してランキング上位に載せることを意識すること
です。

Kindleの売り上げランキングは、測定期間が短いです。
そのため、短期間に大量に売れれば、一気にランキング上位へと上がっていくのです。

一度ランキング上位に入ると、

「とりあえず人気ランキングを見よう」→「お、この本売れてるし面白そう!」

という消費者の導線ができあがります。

こうすることで、「売れる流れを作る」のです。

実際に、私の著書もランキング一位に残り続けることでロングセラーになっています。

また、たくさん買われるようになると、一緒に買われた本のおすすめに表示されやすくなります。

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」

と、サジェストに出やすくなるのです。
こうなるとますます売れるようになります。
売れるサイクルができるのです。

このように、長く売れ続ける好循環に乗せることが大事なのです。

サクラはNG!

ただし、だからといって、

「じゃあサクラを使って大量購入しよう!」

なんて思ってはいけません。

それは単に倫理的な観点から言っているのではありません。
とてもハイリスクだからです。

一度ランキング上位を取ると、多くの人の目に晒されることになります。

そうなると、質の低い作品は一瞬でレビューが荒れます

また、胡散臭いレビューはすぐに消費者の目に止まります。

内容が伴っていないのに下手な操作をすることは、大炎上というリスクを負うことになるのです。
宣伝は大いにすべきですが、あくまで最後は自分の判断で買ってもらわなければいけません。

結局は、読者のニーズにあった質の高い商品を作るのが王道なのです。

まとめ〜電子書籍の出版にはワクワクが溢れている!〜

最後にもう一度、電子書籍の出版プロセスをまとめます。

これら6STEPを丁寧に行えば、
誰でも電子書籍を出版することができます。

私が初めて電子書籍を出版したのは2年前になります。
自分で作った本が初めて電子書籍で売れた日のことは今でも覚えています。

Kindlストアに並んだものの、売り上げは毎日ゼロ、ゼロ、ゼロ……。

そんなある日、何気なく電子書籍の売り上げを確認すると、
そこには見慣れない数字があったのです。

購入:1

購入1。
ついに誰かが買ってくれたのです。

自分で企画し、自分で作り、自分で値付けして販売した本を、
誰かが価値あるものとして買ってくれた。

その事実に、

「素人の自分でも、世の中に価値を生み出せたんだ!」

そう感じた瞬間でした。

この“1”は、私にとって大きな意味を持つ数字だったのです。

その後も私は何冊かの電子書籍の出版を手がけ、レビューでも高い評価を頂きました。
また、2018年8月末には紙の書籍を出版予定となっています。

私が今でもこうした出版活動を続けられているのは、
この“1”に支えられているからに他なりません。

電子書籍の出版には、ワクワクと未来が溢れています。

何か伝えたいものがある人は、ぜひこれを機にチャレンジしてみてください!

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